稼働停止を予防! 明日から取り組める「整備で予防保全」とは

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稼働停止を予防! 明日から取り組める「整備で予防保全」とは

2019年11月1日 初版

工場の機械を安全に動かす上で欠かすことのできない「設備保全」。生産設備に不具合が表れる前段階で点検や修理を行うこの活動は、稼働停止期間を最小化する上でも重要な意味を持ちます。今回は、設備保全の基本的な考え方をご紹介しつつ、明日からすぐに取り組める保全活動についてご紹介します。

「工場の稼働停止」が起きてからでは遅い「保守対策」

工場設備のメンテナンスは、生産効率を上げるために重要な意味を持ちます。近年、製造業の現場において多品種・少量生産化が進む中、かつてないほど高い生産性が求められるようになってきています。そうした中、「保守」を前提にしていては現場の生産が追い付かない、といわれています。これはどういうことでしょうか?

そもそも、「保守」と「保全」は異なる概念として捉える必要があります。「保守」は機械が故障したときに修理して元の状態に戻す、という意味合いが強く、一方で、「保全」は機械設備が故障しないように日常的に点検を行うことを意味します。つまり、「保守」は事後対応であり、「保全」は事前の予防策ということができます。

「保守」では、故障が発生した際の復旧調査から入りますが、工場の稼働停止がどの程度になるか、すぐに割り出すことができないケースもあります。しかし、「保全」であれば、故障が発生する前に点検を行うため、致命的な故障が発生する前段階でトラブルを予防することが可能です。

誰でもできる「整備で予防保全」対策を行うことが必要

一定期間ごとに保全を実施する「予防保全」は、整備活動の基本といえます。おおよその周期を決め、定期的に点検・修理・部品交換といったメンテナンスを行うことで、トラブルの深刻度・影響範囲を最小化することができます。

しかし近年は、「予防保全」のみならず、設備の劣化状態に応じて最適なメンテナンスを行う「予知保全」も広く知られるようになってきました。「予知保全」とは、その名の通り「故障を予知して、機械設備が壊れる前に解決する」ということを念頭においた取り組みです。具体的には、テクノロジーを駆使して設備1台1台を常に監視し、故障履歴などを計測することで、トラブルが発生する前段階で設備点検・備品交換を行います。

このように、近年は稼働停止が発生することがないように考慮した取り組みが広まりを見せています。

明日から取り組める「整備環境」の準備とは

では、続いて明日から取り組める「整備環境」のアプローチをご紹介します。

1つ目は、「自主保全」に対する準備です。自主保全とは、機械設備を日常的に使用するオペレーター自らがおこなう保全活動です。現場で機械に接するオペレーターが自ら「生産システムの効率を阻害しうる要因」を解消することで、日常的に保全を行うことが可能になり、更なる生産性の向上が見込めます。

なお、自主保全を徹底するためには、次の「4つの能力」が必要だといわれています。もし仮にこれらの能力が備わっていなくても、育成を重ねることで身に着けられるものもあります。

①異常発見能力:対処すべき異常を「異常」として認識できる

②処置・回復能力:異常に対して「的確な処置」が素早くできる

③条件設定能力:正常と異常の「定量的な判断基準」を設けることができる

④維持管理能力:事前に決めた「ルールを順守」できる

▶明日から取り組める「整備する環境」の準備をサポートする「産業用ワイパー」

医薬品・化粧品メーカー向け製品

もう1つは、メンテナンスフリー機械の検討です。機械設備が日進月歩で進化する中、「メンテナンスフリー」の機械設備が出てきています。これは言葉の通り、日常的なメンテナンスが不要な機械設備を指します。このような設備の導入検討に最適なタイミングは、日常的に自主保全を行う中で限界を感じたときだといえるでしょう。だからこそ、普段から自主保全と向き合い、現場で行うべき保全活動とそうでないものの線引きを行っていきましょう。

プラスチック射出成形工場の事例紹介

予防保全に取り組む企業の事例を見てみましょう。プラスチック射出成形工場では、金型を清掃する予防保全において、清掃作業を早く終わらせるための工夫を重ねています。

かつては、金型の油汚れを拭いた際、糸くず等の発生があり、歩留まりに影響が出ていました。歩留まりの悪化を防ぐための設備保全において清掃作業をした結果、逆に歩留まりの悪化が生じていた点は、製造現場の大きな課題といえるでしょう。加えて、設備保全の作業自体にも時間がかかり、「拭き取りにかかる時間の短縮」が重要なテーマになっていました。

そこで、糸くず等の発生が少ない不織布ワイパー「ワイプオール」を導入。糸くずの発生が少ないため使い勝手が良く、クリーナーの吸収速度も速いため、以前は手間がかかっていた清掃作業を素早く終わらせることができるようになったといいます。また、専用のワイパーを導入したことで、従業員の清掃に対する「意識レベルの向上」にも繋がっており、5Sの徹底にもポジティブな影響を与えています。。

このように、設備保全一つとっても、さまざまな観点やメリットがあげられます。さらには清掃備品ひとつで、工場の生産性、または品質向上に大きくかかわり、歩留りにも影響を及ぼします。気気づいた時に稼働停止状態では、大きな損失を生みかねないので、「事前に保全」するために整備環境を整えることが重要です。そこで日本製紙クレシアでは設備保全における清掃の効率化をお考えの企業様に、各工場の環境や作業内容にあわせた各種産業用ワイパーを多く揃えております。。

貴社の環境や作業に合わせた産業用ワイパーのご提案も可能ですので、詳細を知りたい方は是非下記のカタログをご参照ください。

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