【改善事例付き】 清掃工程から考える、製造業の作業効率UPとコスト削減施策
2019年11月1日 初版
5Sの代名詞ともいえる製造業。その現場で作業効率UPや異物混入防止策を考える際に、「清掃工程」は重要なプロセスとなります。しかし、清掃を現場に定着させ、習慣化させることは容易ではありません。そこにはどんなポイントがあるのでしょうか?今回は、作業効率UPとコスト削減という側面から、清掃工程について考えていきましょう。
歩留りに影響を与える清掃後の拭き残り
あらゆる製造現場において必要不可欠な、清掃時の拭き取り作業。しかし、そこには高い確率で「拭き残し」が発生します。拭き残しが積み重なると、そこには埃や更なる汚れが蓄積するため、十分な注意が必要です。
拭き取り作業の際に頑固な汚れを簡単に落とせるようになれば、製造現場では次のようなメリットを生み出すことができます。
①生産性の向上
素早く汚れを落とせるようになれば、作業効率が向上し、結果、労働生産性が向上します。ウエス一つとっても、想定用途や素材に違いがあるため、利用シーンに応じた製品を選ぶことが大切です。
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②歩留まりの向上
正確に汚れを落とすことができれば、製品製造時の歩留まりが向上します。正確に汚れを除去するためには、作業者ごとの仕上げ精度のバラツキを軽減したり、手間をかけなくても簡単に汚れを落とすことができる製品を使用したり、といった工夫が求められます。
③消耗品消費量の削減に伴うコストダウン
拭き取り作業を行う際に利用する洗浄液は、作業者によって使用する量に差が出やすい部分です。だからこそ、拭き取り掃除で簡単に汚れを落とせるようになれば、消費する洗浄液を最小限に抑えることができ、結果的にコストダウンにもつなげることができます。
このように、拭き取り作業は一日に何度も行うからこそ、その手法やプロセスを見直すことで大きなメリットを生み出すことができます。では、こうした取り組みにおいて作業効率向上やコスト削減の効果を最大化するためには、どのようなポイントに注力すればよいのでしょうか?
注意すべきは作業効率化と異物混入対策
拭き取り作業を行う際に、特に注意すべきことの1つは「作業効率」です。拭き取り作業を行うアイテムの吸水性、強度、耐薬品性、ワイピング性能は実に様々です。だからこそ、作業内容に適した製品を使うことで高いパフォーマンスを発揮します。例えば、紙ワイパーは吸収性に優れ、使い捨て作業向きです。一方で、不織布ワイパーは、一定の吸収性を持ちながら、強度や耐薬品性にも優れているため、薬液を含浸させた拭き取り作業向きです。
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もう1つの観点は、「異物混入対策」に適しているかどうかです。ウエスで汚れを拭き取っても、汚れを除去できず広げてしまうようでは役割を果たすことはできません。拭き取った汚れをしっかり吸着させることができ、異物混入を発生させないような性質の産業用ワイパーが適しているといえるでしょう。
続いて、最適な製品選びを通じて清掃工程の工数削減や、コスト削減を実現した事例をご紹介します。
事例① 吸収性向上で取り換え工数削減
1つ目の事例は、金属加工会社のケースです。切削作業を安全、かつ円滑に進める上で「水溶性切削液」は必要不可欠といえますが、
これらの管理を行う上で「浮上油の扱い」が悩ましい課題になっていました。金属や樹脂などを切削する時に潤滑油の役目を果たすこの液体は、管理の過程で浮上油を取り除く必要があったのです。同社は当初、ひしゃくやウエスを利用して浮上油を除去していましたが、その作業は手間がかかるものであり、業務の生産性を著しく阻害していました。そこで、油だけを手間なく取り除くために、「オイル吸着マット」を活用。大判のシートサイズ(500mm×400mm)を利用することで、一枚で約500gの浮上油を除去できるようになり、使用後の回収も簡単になりました。
このように、吸収性に優れた製品を利用することで、余計な手間を省き、大幅な工数削減を実現しています。
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事例② 備品の最適化を図りコスト削減
2つ目の事例は、セメント製造会社のケースです。同社では、工場内の油漏れが頻繁に発生していましたが、1リットル以上の油漏れはほとんどなく、少量の油漏れに対して厚手のオイル吸着マットを使用している状態でした。5mm厚のオイル吸着マットを全て使うことなく廃棄している状態で、コスト的にも無駄が生じていたといいます。
そこで、前述の事例と同様に、500mm×400mmのオイル吸着マットを採用。2mm厚で約500gの油を吸収できることで、コストダウンをしながら取り換え頻度を上げ、工場美化を実現しました。
このように、製品の活用シーンとコストを考える上では、「最適なコスト感」で高品質な製品を活用することがベストといえます。
★セメント製造会社事例のご紹介★ オイル吸着マットのムダを削減!コストダウンにつながったセメント製造会社の事例詳細はこちら |
工場の実情に合わせた清掃備品選びが重要
製造プロセスの複雑化や高度化が進展する昨今、その製造環境に生じる課題も多種多様になっています。そうした中、工場で利用する清掃備品も「工場の環境特性」や「用途・利用シーン」に合わせた選定が不可欠となっています。清掃を現場に定着させ、習慣化させるためにも、工場の実情に合わせた清掃用具選びは不可欠なのです。
そこで日本製紙クレシアでは様々な工場の実情にあわせた清掃備品を多く揃えております。例えば、オイル吸着マットに関しても、用途に合わせた3サイズを展開しております。また、既に多くの企業様にご活用いただいており、「水を吸いにくい」「用途に合わせた吸着量」など、機能性と用途に適した製品をご紹介することができます。その他、工場内の最適な清掃備品をお探しの方は下記より商品の詳細をご覧いただけますので、是非ご検討の際はカタログをご覧ください。