職場の熱中症対策が義務化|内容と現場でできる対策をチェック

職場での熱中症対策_罰則付きで義務化されました【2025年6月1日施行】
令和7年6月1日から職場における熱中症対策を強化するため、改正労働安全衛生規則が施行されました。熱中症の重篤化を防止するため「体制整備」「手順作成」「関係者への周知」が、対象となる作業を行う事業者に義務付けられています。そして、事業者が対策を怠った場合は6ヶ月以下の拘禁刑か50万円以下の罰金が科されます。暑さが襲ってくる前に正しい知識と対応を身につけましょう!※必ず厚生労働省のリーフレットもご確認ください。
職場における熱中症による死傷者数の推移
熱中症は死亡災害に至る割合が、他の災害の約5~6倍と、非常に高い傾向にあります。そのほとんどが初期症状の放置と、対応の遅れが原因です。これは、私たちが「熱中症」という災害を実情よりも軽視してしまっているということの現れではないでしょうか。1人1人が「熱中症は重大な災害である」ということを意識することが重要だと感じます。
令和7年夏の熱中症による労働災害発生件数の速報値(令和7年12月末時点)は令和6年同時点の速報値と比較すると、休業4日以上の死傷者数は約41%増加しましたが、死亡者数は50%減少しました。 気象庁によると、令和7年6~8月の平均気温偏差(基準値(1991~2020 年の 30 年平均値)からの偏差)は、+2.36℃と、統計開始以来最高を記録しており、休業4日以上の死傷者数の増加の一因となったと推測されます。また、改正省令により、事業場における熱中症の重篤化防止対策が一段と進み、当該改正が主な目的としていた熱中症の重篤化による死亡災害の防止が図られたと考えられます。
※ただし、以上の数値はあくまでも 12 月末時点の速報値であることに留意が必要です。
出典:職場における熱中症防止対策のための検討会 報告書 ~令和8年夏に向けて~|厚生労働省
業種別熱中症発生状況


2020年以降の5年間に発生した熱中症の死傷者数について、業種別でみると、死傷者数、死亡者数ともに建設業、製造業の順で多く発生しています。年によって、製造業と建設業の順番は入れ替わることはありますが、いずれの年もこの2業種で死傷者数は約4割、死亡者数は約5割~6割程度を占めている状況です。
出典:熱中症業種別発生状況(2020~2024年)|厚生労働省
現場に義務付けられた対応
対象となる作業:「WBGT28度以上又は気温31度以上の環境下で連続1時間以上又は1日4時間を超えての実施」が見込まれる作業
対象の事業者への義務:「体制整備」「手順作成」「関係者への周知」
詳細:① 「熱中症の自覚症状がある作業者」や「熱中症のおそれがある作業者を見つけた者」がその旨を報告するための体制整備及び関係作業者への周知、② 熱中症のおそれがある労働者を把握した場合に迅速かつ的確な判断が可能となるよう対応が必要です。
1) 事業場における緊急連絡網・緊急搬送先の連絡先及び所在地等の把握。
2) 「作業離脱」「身体冷却」「医療機関への搬送」等重篤化を防止するために必要な措置の実施手順の作成及び関係作業者への周知。
出典:厚生労働省・職場における熱中症対策の強化について
WBGT値(暑さ指数)について

出典:令和8年「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」実施要綱より抜粋
WBGT(Wet Bulb Globe Temperature)とは
気温、湿度、日射・輻射熱の3要素を取り入れ、『蒸し暑さ』を1つの単位で総合的に表しています。
WBGT基準値とは
暑熱環境による熱ストレスの評価を行う暑さ指数のことです。
① 日本産業規格JIS Z 8504を参考に実際の作業現場で測定しWBGT基準値を把握します。
② 上表に基づいて「身体作業強度」と「WBGT基準値」を比べ、作業環境を見直しましょう。
また、作業時の衣服によってWBGT値に加えるべき補正値が異なり、その補正値を加えた値を基準に作業環境を整える必要があります。透湿性及び通気性の良い服装を選択することも熱中症対策としては非常に重要です。
冷房等を使用できない屋外での作業ではWBGT基準値を超えてしまうことも多いのではないかと思います。その場合は下記のような熱中症予防対策を行うことが必要です。
熱中症予防対策(一部抜粋)
①冷房を備えた休憩場所等涼しい休憩場所を設ける
②労働者の健康状態の確認を行う
③作業管理者・労働者にあらかじめ熱中症についての労働衛生教育を行う
④計画的に暑熱順化期間を設ける
→熱に慣れ環境に適応することが熱中症の発症リスクに大きく影響するため
⑤作業時間の短縮
⑥自覚症状の有無に関わらず、水分および塩分の定期的摂取を指導する
⑦透湿性及び通気性の良い服装を着用させる
出典:厚生労働省・職場における熱中症対策の強化について
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