日本製紙クレシア
2019年11月1日 初版
クリーンルーム作業者にとって「クリーンルーム4原則」は基本中の基本です。しかし、実態としてゴミや埃、浮遊微生物などの混入を防ぐことは困難といえます。では、異物が混入する原因はどこにあり、具体的にどのような対策が考えられるのでしょうか?今回は、クリーンルームの発塵に着目し、それらを防ぐためのポイントをご紹介します。
クリーンシステムとは、空気中に浮遊する「ゴミや埃、浮遊微生物(コンタミナント)」などを一定基準以下になるように清浄度を管理したシステムのことを指します。このクリーンシステムによって管理された部屋を「クリーンルーム」と呼び、小さな埃の混入も許されない半導体の製造や、細菌による影響が品質低下に直結する食品加工などに活用されています。
クリーンルーム室内の風は、「向き・速さ」に加えて風の形状、気流の分布までも一律に制御されており、設計の段階から「微粒子・細菌を外部から入れない」、「中で発生させない」ということを目的に様々な工夫が施されています。これらの設計価値を最大限に発揮する上で守らなければならないルールが「クリーンルーム4つの原則」です。
<クリーンルーム4つの原則>
原則① 持ち込まない
原則② 発生させない
原則③ 堆積させない
原則④ 速やかに除去する
これらの原則は全て、クリーンルーム作業員の行動のあり方に関係してきます。つまり、「4つの原則」を実践するために、”何気ない作業員の動作一つ”で微粒子や細菌が混入してしまう、という事実は念頭に置かなければなりません。
クリーンルームを実際に利用する際には、 「人が器材などを持ち込む」「装置を稼動させる」「作業を行う」といった動作が発生します。この一つ一つの動作に付随して、必ずといっていいほどゴミや埃は持ち込まれています。また、人がゴミや埃を発生させているということも事実です。
このような背景があるからこそ、「原則③ 堆積させない」や、「原則④ 速やかに除去する」に関する対策が求められます。これらの原則をシステムだけで実現することには限界があるからこそ、最終的にはクリーンルーム作業者の意識を向上させ、4つの原則を徹底して運用することが大切です。
では、どのようなポイントを踏まえてクリーン化に取り組めばよいのでしょうか?今回は、クリーンルームの発塵を防ぐための観点を見ていきます。
クリーンルームの発塵を防ぐためには、4つの原則を基にした取り組みが基本となります。それぞれ具体的なアイテムの活用例を交えて見ていきましょう。
クリーンルーム外部からの「粒子持ち込み」を防ぐうえで欠かせないツールが「エアシャワー」と「靴底ブラシ」です。ここでは、エアシャワーを20秒ほど浴びながら、靴底ブラシで靴の埃を落とす、という流れが基本になります。そして、最後に粘着マットを4回程度踏むことで、確かに埃が落とせていることを確認します。
次に、クリーンルーム内部での「塵埃の防止」です。クリーンシステムは空気中に浮遊する微粒子は除去できるものの、落下塵は除去できません。だからこそ、基本的な清掃の取り組みは必要不可欠です。例えば、「クリーンルーム用ワイパー」を使えば、発塵の発生を極限まで最小化しつつ、清掃を行うことができます。
続いて、塵埃を速やかに排出するための仕組みです。「気が付けば、クリーンルーム内はゴミだらけ」という事態を防ぐために、「クリーンエリアワイパー」といったアイテムを活用したこまめな清掃が必須といえます。
最後に、塵埃を蓄積させないための原則論です。ゴミの特性として「気流に乗って拡散し、最後はゆっくり落下して思わぬところに付着する」という点が挙げられます。だからこそ、汚れた手袋であちこちを触ることがないように、速やかにゴミを除去する必要があります。そのためにも、クリーンルーム作業者の6S意識を絶えず向上させ、「クリーンルーム4つの原則」を実践できるように、日常的に意識付けを行いましょう。
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徹底的に管理されたクリーンルームも、作業者の取り組み次第で、ゴミや埃の発生量は大きく変化します。だからこそ、5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)に「習慣」を加えた「6S」の実践が欠かせません。例え、優れたクリーンシステムを利用していても、クリーンルーム作業者が習慣として「4つの原則」を実施できなければ、真のクリーン化は実現できないのです。
そこで見直したいのがクリーンルーム内外で「6S」を実践するために欠かせないアイテム類です。扱いやすく、円滑な業務を妨げない製品を利用して初めて「6S」が実践できるといっても過言ではないでしょう。この「6S」を実現させるべく日本製紙クレシアは、管理の厳しいクリーンルームでも簡単に発塵を防止、クリーン環境を維持できるアイテムを多数そろえております。
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